まず結論を言うと、Fラン大学生の就活では、IT業界がオススメです。
大手企業も狙うことができ、Fランク大学からの人生逆転が狙えます。
そこで、本記事では、IT業界について解説していきます。
就職活動において、業界分析は非常に大切なので、IT業界について少しでも理解していただけたら幸いです。
IT業界の種類
IT業界と一言でいっても、いくつかの業界があります。
まずは、それぞれの業界について簡単に紹介します。
ソフトウェア業界
コンピュータ内部で動いているシステムの製造、販売がメインの業界です。
例えば、メールソフトや画像編集ソフト、チャットソフトなどが該当します。
利用者のニーズにそってソフトウェアを開発し、販売する「パッケージ開発」と企業から依頼を受けて1から開発する「受託開発」があります。
ハードウェア業界
実際に目に見える、機器の開発などを行う業界です。
パソコン本体や、マウス、キーボードなどが該当します。
ハードウエア内部で使用される電子回路の設計や、製品のなかに組み込むシステムを開発します。
また、セールスの営業も行います。
情報処理サービス業界
業界問わず、さまざまな企業からの要望に応えるべく、システムを構築していきます。
要件定義からシステム設計、開発、運用といったフェーズで進めていき、1プロジェクトで多くのIT企業が絡んでいくのが特徴です。
この業界の企業を、「システムインテグレーター」といい、「SIer」(エスアイアー)と呼ばれます。
通信・インフラ業界
インターネットや電話等の通話サービスを行う業界です。
電気やガス、水道と同じように生活に欠かせない基盤のため、需要が安定している業界です。
Web業界
ウェブサイト制作やインターネット広告、SNSを利用した商売です。
ウェブサイトの制作や運用を企業向けに行う仕事と個人向けに行う仕事があります。
IT業界の特徴
続いて、IT業界の特徴について解説します。
IT働き方の柔軟性
他の業界と比べ、テレワークの導入がしやすい業界です。
私の勤め先でも、ほぼ毎日テレワークです。
出社する頻度は、月に1回あるかないかです。
ただし、IT業界でも仕事によってはテレワークは厳しいこともあります。
例えば、営業職で客先を訪問したり、エンジニアでも実機を使ったテストをする仕事の場合は、出社が必要です。
残業時間に厳しくなった
IT業界というと、昔は「3K」(きつい、帰れない、給料が安い)といわれていました。
私の先輩社員の話ですが、会社に泊まって残業することもあったようです。
確かに、以前は3Kだったようですが、今は残業時間に厳しくなっており、労働環境が改善されていると感じます。
私の勤め先では、週に1〜2回、定時退社日が設けられてます。この日は残業してはいけない決まりになっています。
ただし、繫忙期になると残業も多くなり、きつくなるときも正直あります。
残業時間は、私の場合、平均して月20時間ほどで、多いときだと40時間近くになります。
もちろん、部署によって、会社によって変わることかと思いますが、時代の流れ的に残業時間を減らそうとする企業が多いかと思います。
給料は企業によって格差がある
給料面は会社によって格差があるように感じます。
本記事のIT業界の注意点で詳しく説明しますが、基本的には、大手であるほど従業員の給料も高く、下請け企業ほど給料が安い傾向です。
人手不足
IT業界は人材不足です。
経済産業省によると、IT業界は2030年に、約59万人ほどの人材不足になると予測されています。
そのため、未経験でも募集している企業が多く、採用人数も多い傾向があり、Fラン学生でも大いに大手企業への内定チャンスがあります。
日々、勉強が必要
IT業界は技術の流れが早いです。
1度習得した知識についてはもちろん役に立ちますが、絶えず、新しい技術についても勉強する必要があります。
そのため、休日でもスキルアップのために、勉強することがあります。
「休日に仕事関連の勉強するのは絶対に嫌だ」
という人は、あまり向かないかもしれません。
業界の構図がピラミッド構造
IT業界の注意点で詳しく説明しています。
業界の構図を把握しないで、適当に企業を選んでしまうと間違いなく後に後悔するので注意が必要です。
Fラン大学生は情報処理サービス業界(SIer)がおすすめ
ここまで、IT業界の業種、特徴について紹介しましたが、Fラン大学生は情報処理サービス業界(SIer)がオススメです。
未経験でも応募できる
上述した通り、IT業界は人材不足です。
特に、SIerは人材不足なので、新卒で未経験の人でも応募ができます。もちろん文系の方も募集しています。
また、IT業界と聞くと、ひたすらパソコンをカタカタしているイメージがあると思います。
確かにほぼ1日中、パソコンを使用しますが、上司やお客さんとかなりコミュニケーションをとる機会が多いです。
なので、単にプログラミングができるだけでなく、コミュニケーション能力が求められます。
逆に、未経験でも学ぶ意欲があり、ある程度のコミュニケーション力があれば、大手でも内定もらえるチャンスは大いにあります。
就職後にIT関連の研修がある
入社後は研修があります。社会人としての研修もそうですが、プログラミングなどのIT関連の研修があります。
期間は会社にもよりますが、大体3か月ほどだと感じます。
ほとんどの企業は、入社したらいきなり業務。なんてことはないと思うので安心してください。
IT業界の注意点
ここからは、IT業界(SIer)で働くなら把握しておくべき注意点をお伝えします。
IT業界はピラミッド構造
上述でも軽く触れましたが、IT業界(SIer)はピラミッド構造です。
ピラミッド構造とは、頂点に大企業があり、下に行くにつれどんどん企業規模が小さくなり、会社の数は多くなっていく構図です。これは建築業界とも似ています。
ピラミッド構造の仕組み
IT業界のピラミッド構造の仕組みは、以下、図のようになっています。
まず、ピラミッド最上部の大手IT企業が、顧客から仕事をもらいます。例えば、
「自動会計システムを作ってほしい」
といった具合です。
この大手IT企業は直接仕事をもらっているので一次請け (元請け)企業といいます。
次に、大手IT企業だけではシステムを創るのは大変なので、別のIT企業に業務を依頼します。
この依頼された企業を二次請け企業といいます。
さらに、二次請け企業も別の会社に協力を依頼します。
このとき、二次請け企業から依頼受けた企業を三次(孫)請け企業といいます。
さらに三次請け企業がまた別の会社に依頼して、、、
というのを繰り返していくことでピラミッド構造が完成していくわけです。
ピラミッド構造による弊害
ピラミッド構造は、頂点に君臨する大企業が最も利益を得られます。それは直接仕事をもらっているからです。
それ以降の二次請け、三次請けと下に行けば行くほど、その会社の利益は少なくなります。
つまり、大手企業のほうが給料が高く、下の小さい企業ほど給料が安いのはピラミッド構造が関連してます。
また、制作物の納期が近くなると下請けの企業にしわ寄せがいくので、下請け企業は激務になりやすい傾向があります。
給料面を重視するなら大手SIerを狙おう
ピラミッド構造による弊害のため、SIerを目指すなら、なるべく大手企業に就職することをオススメします。
上述の通り、上の企業ほど給料をもらい、下の企業ほど低賃金で雑務になる傾向にあります。もちろん、上の企業でも残業はあります。
ピラミッド構造の下の企業にいたっては、制作どころかテストなどの単純作業しかさせてもらえなかったりするので、自分のスキルアップになりません。
単純作業は誰でもできるし、人手が足りないので、未経験者を募集します。
そのため、未経験を募集しているIT企業でも、零細企業には注意が必要です。
スキルを磨くためならあえて下請け企業に就職するのもあり
基本的には大手企業に就職したほうが給料面、環境面でもいいです。
しかし、スキルアップのために最初のうちは下請け企業に就職するのも、私はありだと感じます。
大手は基本的に指示を出す側なので、技術というよりはマネジメントが強い傾向があります。
一方、下請け企業はその指示から実際に制作をしていきます。
そのため、プログラミングの技術を磨きたいなら下請け企業に就職するのはありだと考えます。
下請け企業で働き、数年後、経験したことをもとに大手に転職するなり、フリーランスでやっていく
こともできます。
むしろ技術力のない人が初めから大手でマネジメントするよりずっといいと思います。
ただし、ピラミッド構造の下の方の企業は危険なので、ある程度の中堅企業を選ぶ必要があります。
まとめ
IT業界の特徴と、注意点ついて解説しました。
ポイントは以下の通りです。
- Fラン大学生はIT業界、中でもSIerがおすすめ
- IT業界(SIer)の構造はピラミッド構造である
- 給料面を重視するなら大手SIerを狙おう
- スキルアップのために下請け企業に就職するのもあり
IT業界であれば、Fラン大学生でも大手企業を狙えます。
ですが、業界について知らずに、なんとなくIT業界を志望するのはとても危険です。
それは、他の業界にも言えることでしょう。
業界の特徴を理解した上で、企業を選ぶようにしましょう。